私は、介護用品の必要性を本気で考えたことがありませんでした。今すぐ必要な人もいれば、まだ先の話だと思っている人もいると思います。正直に言えば、私もその一人でした。6年前までは「介護用品」という言葉さえ、ほとんど意識していなかったのです。
そんな私の考えが大きく変わったのは、2008年に母が脳梗塞で倒れてからでした。幸いと言っていいのか分かりませんが、命に別状はなく、その後は車いすでの生活となりました。意識はしっかりしており、これまでと同じように生活したいという気持ちが強く伝わってきました。
実際、簡単な調理や手芸などはできる状態で、「自分のことは自分でやりたい」という思いが強い人でした。だからこそ、たとえ息子である私であっても、手を貸すことを嫌がることが多かったのです。
私はその姿を見て、「このまま大きな介護は必要ないのかもしれない」とどこかで安心していました。しかし、その考えはある日突然崩れます。ある日のこと、母が車いすから転落し、足首を骨折してしまいました。
ただでさえ車いす生活だった母が、完全に寝たきりに近い状態になったのです。このとき初めて、私は本当の意味で「介護」と向き合うことになりました。正直に言うと、何をすればいいのか全く分かりませんでした。
医師から説明を受け、妻が中心となって介護を行うことになりました。そして病院から「必要な介護用品の一覧」を渡されたのですが、それを見ても私はこう思ったのです。
「これ、どうやって使うんだろう?」まったく知識がなかったのです。そこで私は、自分の知識不足を痛感しました。とはいえ、一から専門的な知識を学ぶ時間も余裕もありません。目の前にいる母の生活を支えることが最優先です。
そこで私は、インターネット等や書籍で必要な情報を調べることにしました。仕事の合間や帰宅後のわずかな時間を使って「介護用品」「介護のやり方」といった言葉で検索を続けました。
その中で、私が最も衝撃を受けたのが「口腔ケアの重要性」です。調べていく中で、口の中の細菌が原因で肺炎を引き起こす可能性があるという情報を知りました。いわゆる「誤嚥性肺炎」です。
健康な人であれば、歯磨きやうがいで口腔内を清潔に保つことができます。しかし、寝たきりの人はそれができません。実際に試してみると分かりますが、寝たままうがいをすることは非常に難しい行為です。少し体を動かすだけでも大変なのです。
このとき私は気づきました。「介護用品は便利なものではなく、必要不可欠なものだ」ということに。特に口腔ケア用品は、単なる清潔維持ではありません。・肺炎の予防・健康状態の維持・生活の質の向上こうした重要な役割を担っているのです。
また、口の中が乾燥すること自体も大きな問題です。自分自身でも、口が乾いた状態は不快に感じるはずです。寝たきりの方は、それを自分で解消することができません。だからこそ・口腔ケア用スポンジ・保湿ジェル・口腔ケア用ウェットシート、といった介護用品が必要になります。
今回の経験を通じて、私ははっきりと感じました。「介護は突然始まる」そして「準備していない人ほど苦労する」ということです。介護用品は、特別な人だけが使うものではありません。いざという時に・どう使うのか・何が必要なのかこれを少しでも知っているだけで、負担は大きく変わります。
最後に私が感じた本当の意味で介護とは
もし今、「まだ関係ない」と思っている方がいれば、ぜひ一度だけでも介護用品について調べてみてください。私のように「何も知らなかった状態」から始めるより、ずっと楽になるはずです。
介護用品の必要性を実感するのは誰にでもある事だと思う。もちろん今すぐと言う立場の人も居れば随分先の将来に思う事かも知れない。正直な話し、私は6年前まで介護用品が必要になるとは思っていなかった。表現を変えれば介護用品という単語を思い浮かべる事もなかった。
だが2008年に母が脳梗塞で倒れてから実感する事が多くなった。幸いと言う言い方で正しいのか良く解らないが、脳こうそくで倒れた母はその後、車いすでの生活を送る事に成った。意識は以前と同じ感覚だから、普段と同じ生活を贈りたいという気持ちは痛いほど分った。
単純に車いすが無ければ普段の生活が成り立たないだけで、簡単な調理ぐらいなら何とかできる状態である。少し前に趣味として始めた手芸も、それなりに仕上げることが出来る程度である。だから逆に他人の(たとえ息子であろうとも)手を煩わせるのは極端に嫌がった。
そういった気持ちがあるからこそ、寝たきり状態に成らないのかも知れない。もちろん担当医からは様々な情報や助言を頂いており、それらを基に普段の生活を送っていた。そしてそれら全ての行動が普通の生活と成り、馴染んできた頃に思わぬことが起こった。
簡単に話そう、今年の夏前に、母はちょっとした事で車いすから落ちて足首を骨折した。普通の状態であっても大変な状況だが、普段は車いすでの生活を送っている。はっきり言えば寝たきりの状態である。
この時に私は「介護用品の必要性を実感」したのである。多くの健全者から見れば、寝たきりになった老婆はどのような神経状態にあるのか、そして介護する立場の人から見てどれほどの苦労があるのか、知る由もないだろう。
例えば介護士とか保健士とか、あるいは看護師などであれば、それなりの教育を受けているから、どのような方法で介護をすればよいのか直ぐに判断できるだろう。だが私は介護に関する知識は皆無である。
病院の医師等から聞いた方法で妻が介護をする事に成る。そして用意する必要のある介護用品の一覧が「病院から手渡された」と言って妻の手から私の手に渡されてきた。
それらを見ていて私は思った書かれているアイテムをどのように使うのか私は全く知らなかった。
さすがに介護に関する知識が不足していると自覚した。だからと言って一から勉強を始めるほどの時間的余裕もないし、専門的知識を覚える必要性も感じなかった。要は目の前にいる母の介護が不自由なく出来ればそれでOKなのだ。
ならばネットを利用して情報を仕入れるだけでも十分な気がした。あまり得意ではないが勤務中の隙間時間や、自宅に帰ってから寝るまでのわずかな時間を利用して「介護用品」に関する情報を検索してみた。
一番に驚いたのが「口腔ケア」の重要性である。ネットで調べて得た情報であるが「口腔内で繁殖した雑菌が、食道を介して胃の中に移動する事が多々あるが、何らかの拍子に肺へと移転し肺炎の原因に成る可能性がある」と書かれていたことである。
もちろんこの情報に信憑性がどのぐらいあるのか? 判断できないが、少なくとも普通の社会生活を送る人は朝晩の歯磨きを忘れないし、口腔内の細菌についても歯磨きをする事で随分と殺菌(滅菌?)出来るだろう。
だが寝たきりの状態にある人物は歯磨きどころか自分で口を濯ぐ事も(うがいも含めて)できない。何しろ寝たきりなわけで頭を横に向ける事で精一杯である。どのぐらい大変な事か一度試してみると良い、寝たままうがいをすることは大変難しい行為だ。
だから寝たきりの状態に成る一番先に気を付ける事は口腔内を清潔に保つことだと言われた。普通の人でも口の中が乾燥すれば嫌気を感じるし、潤いが欲しいと考えるに違いない。



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